とつぜんのことですが

うちの会社のクリエイティブ・ディレクターが
ひとり、退職するかもしれません。
昨日、本人がそのことを仄めかしたので
周囲に情報収集したところ
(本人に聞けよ!と自分でも思うのですが
あまりにも暗く沈み込んでいるので声をかけにくかったんです…)
取締役が
退職勧告をしたらしいのです。

晴天の霹靂!
というわけでは決してなく
やっぱりね…というムードが
社内にも漂っているのはなぜでしょう。


彼は
D通、H報堂…と業界最大手の代理店を渡り歩いてきた
はえぬきのコピーライター&ディレクターとして
鳴り物入りで、入社した人でした。

たしかに
私なんかには到底書けないような
理論武装された企画書を作るし
文章も上手いと思うのですが
なぜか
うちの会社では
仕事がうまく回らない。


まあ
うちの会社に
「彼が活躍できるフィールドがない」と
いってしまえばそれまでなのですが
それを承知で入社してもらったし
彼の得意分野である「企画&プランニング」の分野を
会社として強化するつもりでの採用でした。

でも、例えて言えば
フォワードタイプのサッカー選手が
ミッドフィルダーに配置されても
うまくパスが出せないように
個人の運動能力がいくらあっても
活躍できる場とできない場があるのでしょうか。


しかし
「自分はパスができないから」って
中盤からいきなりドリブルでゴールめざしても
点は絶対にとれませんよね。
自分のスタイルにこだわりすぎると
試合には勝てない。
そこに名監督がいれば
適材適所に選手を配置して
名チームを作れるのでしょうが
残念ながらわが社には監督がいないので
個人個人が
自分のポジションを常に意識しながら
プレイスタイルを変えていくしかないのです。

彼が活躍できない理由は
そのあたりにあるような気がします。
プレイスタイルを変えない、頑固さ?
Jリーグでも
海外の名選手が来日しては
うまく機能せずに帰っていったではありませんか。


なんか象徴的すぎてわかりにくい話になってしまいました。


で、どうすればいいのかと思っています。
「デザイン力、企画提案力をアップする」ことを目標に
これから生まれ変わる(はずの)わが社としては
彼の持っているスキルを
これから生かせるかもしれないのに、とも思うわけです。


とはいうものの
それは彼自身にも目覚めてもらわないといけないわけで
「なにがなんでもがんばろう」と思ってもらわないとダメなわけで
やっぱりむずかしいのかなあ…。


能力を生かせない、という問題以前に
会社員としての勤務態度が
あまりにも奔放だったという面もあったし
たぶんそのあたりも
上の気に入らないところだったのでしょう。


私から見ても
問題をたくさん抱えた人だったと思うけれど
それでも
私にはない能力を持った人だったので
惜しい、という気持ちもあります。

「能力はあるけれど生かせない人」を受け入れるほど
今の会社には体力がない、ということなのかもしれません。


会社としての体力や包容力を
もっともっとつけたいです。


ちょっとブルーな本日、でありました。